僕は昔からあまり翻訳ものは読まない。なぜか翻訳調みたいなのに抵抗があって、読んでいるうちに面倒になってくるからだ。
まあ、それも一種の食わず嫌いみたいなものなんだろうとは思っている。たまにすごく気に入った作品に出会うことはあるし、本好きなんだから古今の名作だって読んでみたいという欲もある。だから翻訳ものを読まないというのは読むきっかけがつかめていないというのが本当のところだ。
会社の帰りに必ず寄る本屋で、ふと目に付いた平積みがこの本だった。宮部は結構好きだから、新しい文庫本が出るとたいていは目を通す。僕は小説も好きだが、作家が書いた小説以外の本もかなり好きだ。宮部はそういう本が多いほうではないと感じているので、この本は開きもせずにレジに持っていった。
読み始めたら、面白かった。宮部の大好きな「怖い話アンソロジー」なのだ。
僕は怖い話が好きだとは思っていなかったのだが、実は百物語みたいな奇譚集が好きだし、コミックでも浦沢直樹の「MASTERキートン」とか「MONSTER」みたいなちょっと怖い作品がお気に入りで、結構好きなのだった。
この本、まずは「猿の手」からはじまる。なんとなく聞いたことのあるタイトルではあったのだが、きちんと読んだことはなかった。海外ホラーの古典なのだと知った。それから、割と最近の「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」が並んでいる。ほかにも人狼の話とか、子供が出てくる怖い話や、かなり暴力的な「パラダイス・モーテルにて」まで、短編がたくさん。どれも読んでみると病み付きになるような微妙な怖さをもった作品ばかりのお得感のある一冊なのである。
僕はこの中では「デトロイトにゆかりのない車」というやつがとても気に入った。
もっといろいろ読んでみたいという気になったのだが、なぜか本屋でうまく探せない。で、はたと気づいた。僕は外国の作家の名前を覚えるのが苦手なのだ。作家に限らず、登場人物の名前も覚えられないのだな。。。だから苦手だったのだ。
面白いのは確かなので、ちょっと努力して翻訳ものに挑戦してみようと思ったのだった。
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